居昌地方の人々は労働をしながら労働の辛さをやわらげるために民謡を歌っていた。近来になって民謡を[歌]と言うようになったが、元々は[ソリ]と言っていた。今も民謡を歌うことを[ソリを歌う]という。そして麻布仕事(サンベイル)をしながら歌う民謡を[麻布仕事歌(サンベイルソリ)]という。麻畑草取り歌、麻の葉叩き歌、麻釜歌、麻煮歌、糸繰り歌、整経歌、巻き取り歌、機織り歌が居昌に伝えられている麻糸仕事歌の範疇に入る。 麻畑草取り歌、麻の葉叩き歌、麻釜歌は野原で仕事をしながら歌う歌であり、麻煮歌、整経歌、巻き取り歌は庭で仕事をしながら歌う歌であり、糸繰り歌、機織り歌は部屋の中や縁側で働きながら歌う歌である。